中国、生涯子供のいない女性が急増

2023/02/14 13:35

2月11日、北京で、中国計画生育協会、中国政治協商人口資源環境委員会、中国人口・発展研究センターによる第3回中国人口・発展フォーラムが行われた。

若い世代の中で結婚や出産に対する考え方が変わりつつある中国は今、一世帯の人数が縮小する傾向にあり、2020年は2010年より0.48人減って平均2.62人となっている。こうした考えの変化で結婚や出産が遅れたり、子供を持たなくなったりして、出産数の減少という結果を招いている。

中国では初婚年齢も上昇しつつあり、女性は1980年代には22歳であったが2020年には26.3歳となっている。また第一子の出産年齢は27.2歳に上昇している。適齢期の女性が子供を産みたがらなくなっており、2021年は生みたい子供の数が平均1.64人で、2017年の1.76人、2019年の1.73人より減り、出産の主体となる「90年代生まれ」は1.54人、「2000年代生まれ」は1.48人にとどまっている。女性が持つ子供の数は2019年の1.63人から2022年には1.19人に減り、また生涯子供をもたない女性の割合は2015年の6.1%から2020年にはほぼ10%と急増している。

中国計画生育協会の共産党グループ書記で常務副会長である王培安氏は、「人口・発展研究センターの2021年の調査によると、35歳以下の女性のうち『子供がいてこそ1人前』と考える割合が70%以下になっている」と述べる。日本やシンガポールなどは20世紀から出産を支援する政策を打ち出しているが、2020年の出産数は日本が1.3人、シンガポールが1.1人と非常に少ない。出産への支援体制が極めて遅れている中国は、結婚や子育てへの考えを変えていかなければ出産数を増やすのは極めて困難だ、と王氏は見ている。

(中国経済新聞)