中国、春節映画の前売り額が114億円突破 「満江紅」と「流転の地球2」がトップ狙い競争開始

2023/01/22 14:30

旧暦の新年である春節を迎えた中国で、映画界が活況を呈している。灯塔専業版のデータによると、旧正月元旦の前日である1月21日9時25分に、春節映画の売上高(先行上映や前売りも含む)が6億元(約114億円)を超えた。

22日の封切りまで1日を切った段階での作品別前売りランキングを見ると、1位が「満江紅」(Full River Red)で1.63億元(約31億円)、2位が「流転の地球2」(The Wandering Earth)で1.58億元(約30.1億円)、3位が「無名」(Mu Ming)で1.12億元(約21.4億円)となっている。

22日の上映回数割合もほぼ確定し、作品別の放映割合を見ると「流転の地球2」(The Wandering Earth)が27%、「満江紅」(Full River Red)が25.6%、「交換人生」(Jiao Huan Ren Sheng)が17.5%である。去年は「長津湖之水門橋」(Chang Jin Hu Zhi Shui)が他を圧倒していたが、今年は各作品が上位を目指しており、業界全体を盛り上げている。

今年の春節映画は業界内で期待されており、去年の全売上高60億元を超えるとも見られている。この主な理由は、入場制限が撤廃されたことに加え、作品の質が全般的に近年になくハイレベルである上、コメディ、SF、スパイ、スポーツ、サスペンス、ファンタジーなどジャンルも豊富で、様々な作品が楽しめるからである。

「流転の地球2」(The Wandering Earth)は2019年2月に上映された「流転の地球」の続編であり、1万個の惑星エンジンを製造するという計画が打ち出された中、「太陽の危機」が訪れて世界中がパニックに陥り、人類がこの世の終わり前に生き残りを求めるというストーリーである。出演者は呉京(ウー・ジン)、李雪健(リー・シュエジエン)、沙溢(シャー・イー)、寧理(ニン・リ)、王智(ワン・チー)、朱顔曼滋(ジューイエン・マンズ)などで、劉徳華(アンディ・ラウ)が特別出演を務める。

「満江紅」は張芸謀(チャン・イーモウ)氏がメガホンを執り、主なキャストは瀋騰(シェン・タン)、易烊千璽 (イー・ヤンチェンシー)、張訳(チャン・イー)、雷佳音(レイ・ジャーイン)、岳雲鵬(ユエ・ユンパン)、王佳怡(ワン・ジャーイー)である。南宋期紹興の時代を舞台とし、岳飛の死から4年後、秦桧が兵を率いて金国と会談をしようとするその前夜に、金国の使者が宰相の駐在先で死に、ことづけの書状も消えていたというサスペンス物語である。

「無名」は梁朝偉(トニー・レオン)、王一博(ワン・イーボー)の主演陣に周迅(ジョウ・シュン)と黄磊(ホアン・レイ)の特別出演が加わり、戦争の時代にアングラ組織が危険を冒して情報を発信する物語である。

(中国経済新聞)