大手ガラス製造会社の会長が名門大学設立目指し約1900億円を寄付

2023/01/16 22:45

中国の自動車用ガラス製造会社・福耀工業玻璃集団の創業者である曹德旺会長は1月14日、国営テレビの番組で「100億元(約1900億円)を寄付して大学を設立する。総長となる優秀な教員を求め、学生を指導して世界的な名門校とする、これが私の願いだ。社会のニーズに合った改革的な人材育成をする学校とする」と述べた。

曹会長によると、経済成長にはまず教育の発展が必要で、それを果たせば、まず大学の目的を実現する正しい方法が必要という。

よって、慈善ファンドによる学校経営を主張した。営利事業ではなく一般的な手段であって、ベストな効果が出るからだという。

福耀集団は大手で技術レベルも大変高く、自動車用ガラスの輸出量が中国最大であり、「FY」という銘柄の製品は業界内随一の「有名ブランド品」である。福建省福清市の福耀工業団地Ⅱ区に所在し、A株(中国株)上場会社の中でもかねてから成長企業50社の一つに数えられている。

資産額は創業時の1987年の627万元から80億元以上に増え、香港やアメリカに子会社を持ち、日本、韓国、オーストラリアなどにも事業所を構えるなど、国際的な企業となっている。

福耀集団は、外国の製造業の進んだ管理モデルや業務プロセスに沿った情報化管理システム「ORACLEERP」を打ち立てたほか、人材の開発や育成にも力を入れ、アモイ大学と共同で福耀管理学院を設立し、本格的な社員教育を行っている。

2021年3月29日に発表された年間決算を見ると、売上高は前年比5.67%減の199.07億元で、株主帰属の純利益は同10.27%減の26.01億元となっている。

会社のモットーは、「われわれは福耀人だ。中国人のために自分だけのガラスを造ることが栄光の使命だ。民族工業を振興することがわれわれの責任だ。世界レベルを目指そう」である。

今回、世界的な名門大学の設立へ会長が100億元を寄付したことで、このモットーの実現へ大きな一歩を踏み出したことになる。

(中国経済新聞)