中国各地でメルク製コロナ用飲み薬の購入依頼相次ぐ 売値は1500元

2023/01/12 12:00

天津市の医薬購買センターは1月10日夜、アメリカの製薬会社メルクのコロナ治療用飲み薬「モルヌピラビル」(商品名「ラゲブリオ」)の発売を開始したと発表した。価格は主要国より安い1瓶1500元(約29000円)である。

この薬はカプセル状で1個0.2g、1瓶40個入りで、CIFでの売り値は税別1100元(約21500円)~1200元(約23500円)という。主要国での売値は712ドル(約95000円)である。

消息筋によると、メルクは価格交渉の段階で見積もり額を1500元(約29300円)と提示したが、これに対して医薬購買センターは、国家医療保障局の代行として値引きを持ち掛けた。しかし最終的にメルクの主張した1500元(約29300円)で決着した。

中国への初回到着分はイギリスで包装されていたため、現在は国薬控股が製造した中国語の包装材に詰め替えており、春節の前に出荷できる見通しである。

また、江蘇省蘇州など各地方政府も、メルクに対して早期に購入したいとの依頼を発しているという。

なお、同じくコロナ用飲み薬であるファイザー製薬のPaxlovidは、医療保険の対象外となったものの、売値はこれまでの1箱2300元(約45000円)から1800元(約35000円)に下がっている。ただしモルヌピラビルとPaxlovidは治療時の服用量が同じで、モルヌピラビルの方がPaxlovidより 300元(約5800円)安上がりとなる。

(中国経済新聞)