中国、2022年度の汚職取締り成果を発表、副次官以上32人失脚、2017年以降で最多

2023/01/2 09:45

中国は年末に2022年の汚職取締り活動の成果を発表した。中央紀律検査委員会・国家監察委員会によると、2022年12月31日現在、副次官以上「中管幹部」のうち少なくとも32人が失脚、また少なくとも37人が共産党による処分を下されている。

(注:「中管幹部」とは中央政府が直接任免権を持ち共産党グループが管理する高層幹部で、おおむね副次官以上である。)

2022年の「中管幹部」失脚者は、2017年以降で最多となる32人以上であった。2017年は18人以上が取り調べを受けている。

これを地域別に見ると、広東省、貴州省、吉林省、チベット自治区、遼寧省、上海市、内モンゴル自治区、北京市、青海省、雲南省、福建省、湖北省、河北省、黒竜江省、四川省、広西チワン族自治区と、10以上の省(直轄市、自治区)に及んでいる。

またその所属先は、応急管理部、中国人民銀行、工業・情報化省などの国務院関連、国家食糧・物資備蓄局など国家発展改革委員会の管理部門、さらに中国鉄道局、チャイナユニコム、中国備蓄食糧管理集団、中国人寿保険(集団)といった大手国有企業などである。

このうち遼寧省では2022年、瀋陽市全人代常務委員会の付忠偉主任および孫国相副主任、政治協商委員会の孫遠良元副主席と郝春栄副省長、同じく副省長である王大偉公安庁庁長の計5人が処分を受けた。

さらに、広東省の全人代常務委員会副主任である共産党グループの李春生副書記,吉林省政治協商委員の張暁霈元副主席は、第20回共産党大会の後で自ら出頭している。

この本人出頭について、中央紀律検査委員会・国家監察委員会は2022年12月初め、ここ5年間で紀律検査機関に出頭した人の数は8.1万人、また自ら交代を申し出たのは2020年以降で21.6万人であると発表している。

2022年は、最初に1月8日にチベット自治区政府の張永沢副主席が、そして最後に広東省全人代常務委員会副主任である共産党グループの李春生副書記が処分された。1月8日には中国人寿保険(集団)の王浜会長も失脚している。

また1月26日は、黒竜江省全人代常務委員会の宋希斌副主任、河北省元全人代常務委員会の謝計来副主任が同時に失脚し、6月1日には広東省全人代常務委員会の陳如桂副主任、上海市人民検察院の張本才検察長が同じく摘発されている。

陳副主任はまた、2022年12月30日に国家発展改革委員会元共産党グループンメンバーである国家食糧・物資備蓄局の張務鋒元局長とともに共産党および職務の追放処分を受けている。

以前に深セン市市長を務めていた陳副主任は、預金を横領し、権力の乱用や女性問題、違法業者との結託、官民癒着といった問題を起こし、不当に利益を手にしていた。

共産党の処分を受けた中では、工業・情報化省の元共産党グループ書記である肖亜慶部長が共産党除籍、免職処分を受け、一級主任クラスに降格のうえ退職手続きがとられている。

中央紀律検査委員会、国家監察委員会は2022年12月30日、国家語言資源監測・研究センターとともに、汚職取締りにおける2022年度の常用語10件を発表した。このうちトップだったのが「十年磨一剣」(剣を10年間磨く)であり、共産党18回大会から10年となった2022年、それまで止めきれなかった風紀の乱れを止め、解決できなかった様々な根深い悪習を解決し、共産党、国家、軍の内部に存在する深刻な危害を一掃し、緩んでいた風紀が根本的に改善された、と示されている。

さらに、「全面的な取り締まりを行った10年間、成績を評価するとともに、常に明晰さや落ち着きを保ち、汚職との戦いで圧倒的な勝利を得て全面的に強固にしなければならないが、すべての完成にはまだ程遠い今、厳格な基盤、措置、雰囲気をずっと続けていく必要がある」と述べられている。

(中国経済新聞)