北京で26日からファイザー製Paxlovidの処方開始 致死率低下へ新たな取り組み

2022/12/26 15:50

北京市の共産党委員副書記である殷勇(Yin Yong)市長代理は12月24日午前に、救急センター、市の第一社会福祉施設、北京韓美薬品を訪れ、救急対応や介護施設でのコロナ対策および薬の生産状況などを視察し、現場勤務にあたっている感染対策スタッフをねぎらった。この中で殷市長代理は、「救急治療に一層力を入れ、市民のためにできる限り薬を確保するよう努め、高齢者や基礎疾患のある人達への感染対策に重点的に取り組む」と強調した。

またこの日午後には、北京市の新型コロナウイルス対策本部で感染対策の検討や調整に関する会議が行われた。市の委員書記で対策本部のリーダーである尹力(Yi Li)氏が座長を務め、対策本部のサブリーダーでもある殷市長代理、市の政治協商主席である魏小東(Wei Xiaodong)氏が出席している。

会議では、感染者数が増えるにつれて基礎疾患持ちの患者も増え続け、医療機関が一段と逼迫していると強調された。その上で、「常に市民を第一、生命を第一に据え、急を要する市民の問題に焦点をあて、患者の治療に全力を注ぎ、回復率を上げて致死率を下げる策を講じていく。また感染の状況に合わせて医療資源を適切に配備し、各医療機関でできるだけ発熱外来を設け、診察のスムーズ化や治療体制の拡大、医療スタッフの増員で対応の効率や質を引き上げる」と示された。

また、北京で26日から団地内の保健所でファイザーPaxlovidの処方が始まったと伝えられた。市の衛生健康委員会や医療保健局の「重症者の治療対応力のさらなる改善に関する通達」によると、「コロナの治療薬であるパキロビッドパック(Paxlovid)が各団地の衛生サービスセンターに配送され、医師の指導に従ってコロナ感染者に服用させるように」と発表されている。

ネット上にアップされた病院の領収書を見ると、Paxlovidの値段は1箱2300元(約¥43750)で、医療保険が適用され自己負担は不要という。

Paxlovidは大人用で、重症化する恐れのある軽・中度の新型コロナウイルス(COVID-19)の患者を対象とした低分子のコロナ経口治療薬であり、国外のデータによると「ハイリスク患者の入院や死亡を防止する効果は89%」とのことである。

これら一連の取り組みで、重症感染者の致死率が低下することが期待される。

(中国経済新聞)