3年間使われた「健康コード」が廃止 「個人データがあるので削除または封印すべき」と専門家

2022/12/12 18:30

中国で、コロナ規制緩和への10項目の一つである「他地域へ移動する際のPCR陰性証明および健康コードのチェックを廃止」との規定を受け、3年間使われたアプリ「健康コード」が機能を停止する。

中国のコロナ対策本部が発表した「新型コロナウイルス対策のさらなる改善措置実行に関する通達」で、老人ホーム、福祉施設、医療機関、託児施設、小中学校などを除きPCR陰性証明の提示を求めず、健康コードのチェックをしないとされている。また、主な機関や大手企業および一部の特定場所では別途独自の規定を定めることができ、さらに他地域へ移動する際のPCR陰性証明や健康コードのチェックは廃止し、現地到着後の検査も行わないとしている。

この「健康コード」は、地方政府におけるコロナ対策に役立つものとして、ともにIT大手が運営するモバイルappであるアリペイおよびWechatで導入されたもので、市民のプライバシーの一部が提供される。

「健康コード」は、個人の基本情報、個人の健康情報、行程情報、健康証明情報の4種類を含み、利用が広まるにつれてPCR検査証明、ワクチン接種証明、および場所コード、出社コード、貨物コードなどの別の情報も搭載される形にアップグレードした。

復旦大学国際関係・公共事務学院の教授であるデジタル・モバイル整備実験室の鄭磊(Zheng Lei)主任は、「(コロナ対策緩和の)『10項目』を実行するにあたり、PCR情報や場所コードなどのデータは削除や封印、または完全に離脱すべきだ」と述べている。様々なプライバシー情報を含んだ場所コードについて、一部の省や市では定期的に削除しており、「場所コードは感染者の洗い出しが目的であり、情報はすべて期間限定であって、過ぎたものはすべて削除すべきだ」と説明している。

また鄭主任は健康コードについて、今後は市民の役に立つような使い方とし、強制的な形ではなく選択肢を与えるように変えることが望ましいという。「市民の役に立つ形へと切り替えていくほか、やるべきかそうでないか、法によるものかそうでないかを線引きし、本人の許可なくしてみだりに使ってはならず、データの整理や保護について法的責任を負うべきだ」と述べている。

(中国経済新聞)