サッカー中国代表の前監督、20億円の蓄財

2022/11/27 23:15

11月20日、2022年FIFAワールドカップ・カタール大会が開幕した。今回のワールドカップでは、スタジアムのデザイン、構造、技術、会場内外のグッズや中国から到着した2頭のパンダなど、「中国的な要素」が随所に見られる。ネットユーザーからは「W杯カタール大会には、中国代表が出場していない以外、中国の全ての技術や製品が活躍している」との声も出ている。

W杯カタール大会が盛り上がる中、サッカー中国代表の前監督である李鉄(リー・ティエ)氏が世間の注目を浴びている。報道によると、李鉄氏は重大な法律違反の疑いがあり、現在、共産党の中央規律検査委員会・国家監察委員会の国家体育総局駐在規律検査チームと湖北省監察委員会の調査を受けている。

李鉄氏は、中国代表の監督になる前、武漢卓爾足球倶楽部(Wuhan Football Club)の経営幹部兼ヘッドコーチであった。李鉄氏が去った後も、彼の部下たちはチームの運営に携わっており、そのため、湖北省監察委員会の調査が入っている。

メディア関係者の李平康(リー・ピンカン)氏によると、李鉄氏の事件に関わる金額は膨大で、ある特定の銀行には1億元(約20億円)以上の預金があった。こうした蓄財は、過去に類例を見ない。

李鉄氏は、2002年に日本と韓国で開催したW杯で活躍するなど優秀な選手で、クラブチームのコーチになってからも好成績を残していた。しかし、カタールW杯アジア最終予選では、強力な外国人選手を多数擁していたにもかかわらず、1勝しただけで、早々に敗退してしまうなど、李鉄氏は、中国代表の監督に就任した後は、期待に応えられないでいた。

李鉄氏は、現役時代から温厚実直なイメージで知られ、河北省のチームに在籍していた時は、中国代表の監督を「非難」するなど、率直で勇気のある発言が評価されていた。そのため、多くの人が、今回の事件を聞き驚きを隠せないでいる。

今回の李鉄氏の事件をきっかけに、サッカー界に腐敗防止のメスが入るだろう。

(中国経済新聞)