中国中央銀行、「マンション引き渡し保証」に向け各銀行へ4兆円を無利息で融資

2022/11/23 17:48

中国の中央銀行である中国人民銀行と銀行保険監督会は11月21日、大手商業銀行信用業務に関する座談会を共同で開催し、金融への支援により経済の安定化を図る政策について検討した。

中国人民銀行はこのほど、マンションの引き渡し保証に向けた商業銀行による融資を支援するため、2023年3月31日までに2000億元(約3.96兆円)を拠出する計画を発表した。無利息での貸付けで、他の目的で使うことが出来ないものである。 

この目的としては、まず一つは「マンション引き渡し」に向けての付帯融資の提供、もう一つは引き渡し未完了の個人向け物件についての貸付リスクの軽減である。販売済みだが引き渡しされず、金融管理部門が認めた物件の早期引き渡しをはかるものである。

この計画は現在、業界内でヒアリングが行われている。以前に発表されたものとは異なり、過去にない形の当面の支援策であるこの計画は、「銀行は望んでいるが、地方政府や企業が認識不十分で協力しないので実行できない」といった今の仕組みを改めること、さらに金融機関における貸付増大によるリスクを軽減することを目的としている。

中国では今年8月、住宅・都市農村建設省、財政省、人民銀行などにより、政策を整備した上で銀行特定貸付により販売済み引き渡し不能となっている物件の引き渡しを進める策が共同発表されている。さらに今回の座談会では、不動産の長期有効体制を徹底実行し、地域ごとに差別化した住宅ローンへの取り組み策を実行して、不可欠および改善的な住宅へのニーズを支えるべきと強調されている。

(中国経済新聞)