2023年の新規大卒者が1100万人を突破する見込み

2022/11/18 12:01

2022年の新規大卒者が初めて1000万人を突破してから僅か1年、2023年の新規大卒者は、1100万人と過去最高を更新する見込みとなっている。

11月15日、中国教育部と人力資源・社会保障部は、「2023年普通大学卒業生の就職と起業ネットワークに関するビデオ会議」を開催した。会議では、2023年大学卒業者数が前年比82万人増の1158万人となる見込みだと発表された。

公開データによると、2013年、中国の普通大学卒業者数は699万人だったが、その後10年間で、459万人増加し、増加率は65.7%となっている。

卒業生が増えると同時に、修士課程への志願者も増えている。例えば、江西農業大学における2023年の修士課程への志願者は5,087人と初めて5,000人を超え、2022年比で1,441人(39.52%)の増加となった。また、重慶理工大学が発表した情報によると、2023年の修士課程への志願者は1万人を超え、32.3%の増加となっている。

華南都市研究会会長を務める曁南大学(Jinan University)の胡剛教授は、「大学入学者数が年々増加していることで、学部卒業生が増え、就職競争も激しくなり、修士過程への進学を希望す学生が増えた」と分析している。中国では、修士課程の学生は、学部生と比較して、就職の際に有利となる傾向がある。

また、中国では修士課程への志願者だけでなく、公務員や教員資格の取得希望者も急増している。データによると、中国の「全国教師資格試験」の受験者数は、2012年の17.2万人から2022年には1144.2万人と、10年間で約66倍に増加している。

かつて、清華大学や北京大学など名門大学の卒業生が高校で教えるという現象は、深圳や北京などの一級都市や杭州などの新一級都市でよく見られた。現在では、同様の現象が、一部の二線・三線都市でも起こっている。

今年8月、「2022年江蘇省淮安市における「有名校」学生の採用リスト」が発表され、ネット上で話題となった。その中には、江蘇省の淮安楚州中学に採用された北京大学の卒業生15名(学部生3名、大学院生12名)も含まれていた。

中国社会科学院の都市発展・環境研究センターの牛鳳瑞研究員によると、かつて「985工程(プロジェクト)」大学では卒業生、特に修士・博士号取得者の数が少なく、研究機関への就職が主であった。しかし近年、大学院生が増加した一方、修士号や博士号を必要とする研究職の需要は増加しておらず、多くの卒業生が別の進路を探さなければいけなくなっている。また、近年は「体制(政府関連企業や国有企業)内」の仕事や「安定した仕事」を希望する若者が増えている。教師は安定した職業で、給与や社会的地位も向上しており、若者たちの間で注目されている。

(中国経済新聞)