テンセント、電動アシスト自転車メーカーに出資

2022/11/16 11:58

中国の情報アプリ「天眼査」(Tian yan cha)によると、広東省深セン市にある電動アシスト自転車の会社「十方運動科技」に対して、広西騰訊創業投資有限公司(テンセント)と珠海玥和企業管理諮詢中心 (リミテッド・パートナー)が新たな株主となった。十方運動への出資元を調べると、テンセントのほか高瓴創投(GL Ventures)、鐘鼎資本(Eastern Bell Capital)、高鵠資本(Cygnus Equity)などの有名どころが並んでおり、このうち高瓴はひそかに去年末に出資している。

十方運動は、電動アシスト自転車(E-bike)のブランド「TENWAYS」の関連会社である。E-bikeとは、形や作りが自転車に似ていてペダルもついているが、電池やモーターなどが取り付けられており、電気の力で前進が一段と楽になるもので、海外では今やサラリーマンなどの通勤手段として大変なブームになっている。TENWAYSは現在2種類が販売されており、値段は最低で1499ポンド(約19.8万円)とのことである。

「小電驢」と呼ばれる電動自転車

最近は中国でも、自動車から「小電驢」(Xiao dianlv)と呼ばれる便利でエコな電動自転車に切り替える動きが出ている。市場関係者によると、電動自転車は電気で駆動し人の力がアシストとなるもので、足置きが備わった「バイク化自転車」である。一方で電動アシスト自転車は、人が動力源でモーターがアシストとなり、見た目や姿形は普通自転車に近い。世界的な脱炭素への取り組みを受けて電動アシスト自転車はかなりの人気を集め、普及策も講じられている。アメリカが実施している法案「よりよき再建」によると、購入の際に最高で1台当たり900ドル(約12.6万円)が支給される。

欧米では今、近場への移動でE-bikeの利用が広まっている。市場データによると、E-bikeの販売先は主に欧米の先進国であり、2015-2020年、ヨーロッパではE-bikeが年平均27%の割合で成長している。アメリカの市場調査会社NPDによると、アメリカの2021年の販売台数はおよそ90万台で、年間50%のペースで伸び続けて2025年には480万台に達するという。またヨーロッパは2020年の販売台数が前年比38%増の470万台で、2025年には市場規模が1200万台を超えるとみられている。

(中国経済新聞)