サウジアラビアの政府系ファンドとフォックスコンが電気自動車生産のための合弁会社を設立

2022/11/8 11:00

 サウジアラビアの「公共投資ファンド(PIF)」と台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下の富士康科技集団(フォックスコン)がドイツ自動車大手BMWと共同で電気自動車(EV)ブランド「Ceer」を立ち上げる。11月3日、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、同国初の電気自動車ブランド「Ceer」を立ち上げ、サウジアラビアの自動車製造業に貢献することを発表した。

Ceerは、公共投資ファンド(PIF)とフォックスコンの親会社である鴻海精密工業との合弁企業で、BMWから部品技術のライセンス供与を受ける。また、鴻海精密工業は、車両の電子アーキテクチャ、車載インフォテインメントシステム、車載用コネクティビティー、自動運転技術などの製品開発を担うことになっている。

PIFによると、Ceerの設立は、炭素排出量削減を含めた持続可能な開発目標「ビジョン2030」達成に向けたサウジアラビア経済の多様化戦略の一環として、同国の将来を担う産業の振興を促進するPIFの戦略に沿っている。

 ムハンマド皇太子はCeerの設立に関し、「サウジアラビアは、新しい自動車ブランドを構築するだけでなく、新しい産業とエコシステムに取り組むことで、国内外の投資を呼び込み、人材雇用の機会を提供する。また、ビジョン2030に沿った経済成長を推進することで、今後10年間における同国のGDP増加を目指している」と述べている。

報道によると、Ceerはサウジアラビア初のEV車を生産する自動車ブランドで、サウジアラビアおよび中東・北アフリカ地域の消費者向けに、セダンやスポーツ用多目的車(SUV)を含むさまざまな車を設計、製造、販売すると見込まれている。Ceerの各車両は、サウジアラビアで設計・製造され、2025年の販売を予定している。

Ceerは、1.5億ドル(約221億円)の海外直接投資(FDI)を呼び込み、最大で3万人の直接・間接雇用を創出する見込みだ。また、2034年までにサウジアラビアのGDPに80億ドル(約1.18兆円)の貢献をすると予想される。

(中国経済新聞)