中国、マンション建設事業の再開ラッシュなるか

2022/09/12 17:45

山西省太原市の計画・自然資源局は9月9日、不動産大手の恒大集団の子会社である太原恒御信置業など41社に対し、予定を過ぎても未着工である土地開発事業56件の早期着工を求める「着工督促通知書」を発したと発表した。

河南省鄭州市も先ごろ、中断しているすべてのマンション建設事業を10月6日までに工事再開するよう求める通知を発しており、今回の太原市はそれに続く2か所目のケースとなる。鄭州市では、不正行為や見世物的な工事、形式的な工事は厳しく禁止するとしている。

業界筋によると、地方政府はマンション引き渡しの確保や生活の安定化を目指し、建設会社に対して工事が途絶えている土地やマンションの建設事業を再開するよう求めており、これで業者がまた重荷を背負い込むことになる。

またこのほか、経営困難な不動産会社の土地の売却を始めた地方もある。広東省広州市の計画・自然資源局は9月9日、住宅用の土地20か所について、競売方式により2022年第三弾となる一括売却を行うと発表した。建物面積は合わせておよそ388.7万平方メートルで、10月10日から競売にかけ、開始時の値段はあわせて約538.6億元(1.11兆円)という。この中には、話題となっている恒大が先ごろ撤退した番禺区謝村のサッカー場建設予定地の分も含まれている。

恒大は今回譲渡に至った理由について、資金問題で土地の開発や建設がはかどらなかったと称しており、譲渡は会社にも全オーナーにもプラスになるとのことである。

さらにまた、今年5月に富力地産が返還した「花都大道から北、蓮山路から東の花都中軸線8ブロックの1か所」も譲渡対象に挙げられている。2020年12月に11.2億元(230.5億円)で富力が買い叩いたこの土地は、9.843億元(202.6億円)で競りにかけられる。

(中国経済新聞)