中秋節で売れ残った月餅はどこへ?

2022/09/12 15:15

中国では中秋節に月餅を食べる習慣があり、この時期には様々な包装や風味の月餅が、ギフトケース入りやばらでスーパーにずらりと並ぶ。ところが、中秋節の翌日にはそれらがすべてなくなってしまう。月餅は果たしてどこへ行くのか、という疑問も浮かんでくる。

南方都市報によると、中秋節である9月10日にはすでにかなりの店で月餅の叩き売りが始まる。ある大型スーパーでは、たった一つの小さなテーブルに1種類の月餅が少しばかり並んでいて、元値が128元(2634円)だったこの品は19.9元(約410円)で売られていた。

スーパーの店員の話では、月餅は中秋節を過ぎたらもう売れないという。少しでも売上を伸ばすためにキャンペーンを数日間行って、中秋節を過ぎたらどれほど残っていても売らず、余り物は中秋節の夜に商品棚から撤去し、製造元に返品する。この店員によると、廃棄処分されるとのことである。

また別のスーパーの店員は、中秋節が店内販売の最終日で売れ残りはその日の夜に褒美としてすべて社員に配る、という違った処理方法を教えてくれた。

中国国営テレビでも先ごろ、店から返品されたギフト用月餅はかなりの割合で製造元が社員に支給すると報道されている。

最近の月餅の引き取り方法は「分散式」であり、ケースはばらしてリサイクルし、中身だけを販売する。月餅の賞味期間は30~90日間であり、製造元は少しでも引き取り費用を削減するためできるだけ期限内に在庫分を売る。人通りの多い所で値引き販売したり、農村部や地方の市場に移送したりする。

また、主にブタ用として動物の飼料関連の会社に売るものもある。ただし、製造元はみな注文に応じて生産しており、市場調査による需要予測分と実際の販売分にさほどの開きはなく、廃棄処分は少ないという。

(中国経済新聞)