蔚来汽車の四半期売上高が100億元を超えるも、「増収減益」の悪循環

2022/09/8 20:00

9月7日、中国の新興電気自動車(EV)メーカーの上海蔚来汽車(以下、蔚来汽車)は、2022年第2四半期報告書を開示した。報告書によると、蔚来汽車の第2四半期の売上高は102.9億元(約2,114.1億円)で前年同期比21.8%増、初めて100億元(約2,071億円)を超え、車両販売における売上総利益率は16.7%と市場の予想を上回り、手元資金は544億元(約112兆円)となった。また、蔚来汽車が発表した2022年第3四半期の納車目安は3.1万~3.3万台で、同業他社の理想汽車や小鵬汽車が発表した第3四半期の納車目安を上回っている。

しかし、第2四半期の蔚来汽車は「増収減益」の悪循環から抜け出すことができていない。当四半期の蔚来汽車の当期純損失は、前年同期比369.6%、前四半期比54.7%増加の27.58億元(約571億円)となった。パワーバッテリーや部品コストの上昇、研究開発や携帯電話、ショッピングモールへの投資拡大が蔚来汽車の赤字拡大の主な原因だと分析する人もいる。

9月7日現在、蔚来汽車は中国国内に合計1,094カ所のバッテリー交換ステーション(うち高速道路のバッテリー交換ステーションは285カ所)を設置し、1,200万回以上のバッテリー交換サービスを提供している。また、合計1,873カ所のバッテリー充電ステーション、5,341基の急速充電スタンド、5,466基の目的地用充電スタンド、56万基のサードパーティーの充電ポールを設置し86万回以上のワンタッチ充電サービスを提供している。 

第3四半期以降、蔚来汽車は欧州市場でのプレゼンスをさらに高めている。8月22日、蔚来汽車初のスマート電気自動車のフラッグシップセダンET7が欧州に出荷され、今年中にドイツ、オランダ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの顧客に対して納車を開始する予定だ。また、ハンガリー・ペシュトの蔚来汽車パワー欧州工場は、9月に稼働を開始する。蔚来汽車の李斌取締役会長は、過去5年間、蔚来汽車は製品やサービスを含め米国市場のモデルを研究しており、現在あらゆる面で準備を進めていると述べた。

(中国経済新聞)