経営危機の恒大、清算への陳述が2か月延期

2022/09/7 20:00

経営困難に陥っている中国の不動産大手・恒大集団がひたすら時間稼ぎに走っている。債務の繰り延べや再建案の提示を延期したうえ、清算への陳述の時期も2か月延期することになった。

恒大は9月5日、香港の高等裁判所が2022年9月5日に清算への陳述を2022年11月7日に延期することを認めたと発表した。

この陳述は、佳盛環球が恒大の返済履行額8.625億香港ドル(約158億円)をめぐって6月に訴えていたもので、今回の延期により恒大はさらに一息つけることになった。

去年から経営危機に陥っている恒大は、各種の債務繰り延べや当面の再編案発表の度重なる延期といった「時間稼ぎ」により、自力更生の場を求めてきた。

再編案の実行について恒大は、今年3月の債権者会議で、7月末の提示を目指すと表明していたが、4か月を過ぎても何の音沙汰もなく、ひたすら延期を繰り返すのみである。

7月29日には、「会社の規模や複雑性、また業界の現状を踏まえ、しかるべき調査を展開中であり、2022年内の早い段階で再編案を発表し、成果を挙げていきたい」という再度の延期が発表されていた。

業界筋によると、今回の陳述の延期は香港の最高裁判所における審議の最終結果に自信がないことが理由という。

恒大にとって現在、陳述の時期までに投資家に対して満足のいく再建案を示すことが一番の課題となっている。

(中国経済新聞)