中国の新エネルギー車はバブル状態、市場の先行きは不透明

2022/09/3 20:30

「新エネルギー車」は、今や中国における大きな市場用語となっている。中国汽車工業協会の統計によると、今年7月の中国における新エネルギー車の販売台数は2021年比で1.2倍の59.3万台、市場シェア率は24.5%に達した。

また、1月から7月までの中国における新エネルギー車の販売台数は319.4万台となった。

中国汽車工業協会の許海東副主任技師は、毎日経済新聞のインタビューで、中国における新エネルギー車の累計販売台数は2021年同期比で約1.2倍になったが、この高い伸び率には3つの理由があるという。

1. 新型コロナウイルスの影響で納品できていなかった予約車が納品できるようになり、ここ2ヶ月の販売台数の伸び率につながった。

2. 新エネルギー車はオークションをしなくても、直接ナンバープレートを獲得することができ、納品後そのまま公道を走ることができる。上海の燃料車の場合、ナンバープレートの価格は9万元(182万元)に上昇しており、且つ勝率はわずか5%しかない。そのため、多くの人が新エネルギー車を購入するようになってきている。

3. 各地方政府は、新エネルギー車の購入者に対して、2〜3万元(約40〜60万円)の補助金を出しており、政府の補助金も販売台数を後押ししている。

しかし、許氏は、中国汽車工業協会が中国の自動車メーカーから得た情報として、今後数ヶ月の間に中国の新エネルギー車販売の増加率が緩やかに低下する可能性があると指摘した。 

新エネルギー車メーカーの多くが、来年の新エネルギー車の販売が不透明であると述べている。新エネルギー車に対する政府の補助金が今年度末で打ち切られるか、削減される可能性があり、もし補助金が打ち切られれば、新エネルギー車の販売はどこまで伸びるか、特に景気後退が続き、将来の市場も楽観視できないため、底が見えない状態だ。

現在、中国には新エネルギー車の製造メーカーが数多く存在し、そのほとんどが近年新たに設立されたものだ。しかし、四川省や重慶市だけでも45もの自動車工場があり、市場関係者は、中国での新エネルギー車バブルの発生を懸念している。

(中国経済新聞)