理想汽車、販売減に歯止めかからず

2022/09/2 15:45

9月1日、新興自動車メーカーが相次ぎ2022年8月度の決算を発表した。このうち「理想汽車」は販売台数が前年比51.54%減、前月比では56.14%減となる4571台で、コロナの影響が最も深刻だった4月の4167台をわずかに上回ったものの、後退に歯止めがかからない状態である。台数、落ち込み幅ともに決算公開した新興メーカー数社の中で最低で、ただ一つ前年比マイナスとなってしまった。

理想汽車は先ごろ行った新車「L9」の発表会で、創業者である李想氏が、100万元以上もするロールスロイス「カリナン」を念頭に、「L9は500万以下でベストのファミリー用SUV」と語った。しかし、まとまった売上も出ないままエアサスペンションのトラブルなどが発生している。

売上ダウンに伴って投資家の心配感も高まっている。車種が増えたことなどにより開発費や販売チャネルの開拓などの支出が増え、1台当たりでの粗利がほぼ安定しながらも純利益は大幅に落ち込んでいる。

先ごろ発表した中間決算を見ると、第二四半期の親会社帰属利益は-6.18億元(約125億円)で、赤字額が第一四半期を6.07億元(約123億円)も上回った。純利益率は-7.08%で、年内に黒字転換を果たすという目論見はほぼ不可能になっている。

自動車メーカーの「セレス」がファーウェイと提携して理想の「ONE」や「L9」の対抗車種となる「問界M5」や「問界M7」を相次ぎ発表するなど、業界内で競争が激化していることも理想の売れ行きに大きく影響している。

「セレス」は8月の販売台数が前年を311%も上回る14644台で、1月から8月までの合計台数は同じく238%増の73557台であった。これらの伸び率はともに新興メーカーのトップであり、あおりを受けた理想はシェアをかなり落としている。

(中国経済新聞)