中国の「新興EVメーカー」、新たに1社が上場へ

2022/09/2 08:30

香港証券取引所は8月29日、浙江省のEVメーカー「零跑科技」が近々一部上場を果たすと発表した。

中国では現在、新興自動車メーカーとして、「蔚小理」と呼ばれる蔚来汽車、小鵬汽車、理想汽車の3社がトップグループを形成し、零跑の子会社である零跑汽車と威馬汽車、哪吒汽車などがセカンドグループとされている。零跑汽車は今回、「蔚小理」に続く香港での上場を果たすことで、業界内でのランキングが固まるものと見られる。

零跑の年間販売台数を見ると、納入を始めた2019年からの3年で順に1037台、8050台、4.37万台となっており、今年上半期の納入台数はこの3年間の合計に匹敵する5.2万台となっている。同社によると、2021年と2022年上半期の合計台数で言えば中国の新興EVメーカーのうち4位にあたるとしている。

しかし零跑は売上の増加に利益が伴わず、決算データを見ると2019年から2022年3月までに58.71億元(1187億円)を売り上げたにもかかわらず、赤字額が合計で58.89億元(約1191億円)に達している。

自動車メーカーは一般的に、年間販売台数が10万台を超えて初めて費用対効果が表れ、利益を生むとされている。現状を見ると、小鵬、理想、零跑、蔚来は今年上半期の販売台数がいずれも5万台前後であり、赤字脱却を果たしていない。

一方で、BYDは64万台を数えて1台当たりの利益が4500元(約9.1万円)、テスラは中国で16万台を売り、1台当たり1万ドル(約140万円)以上の利益を出している。清博智能のアナリストである鄧莉氏は、「規模で効果が生まれるこの世界では、『新興メーカー』は利益を語る前にまず生産量を増やすこと」と見ている。

(中国経済新聞)