ロボットの受注が爆発的に増加し、販売台数が約50%急増

2022/08/20 08:45

昨今、製造業の回復や新エネルギー自動車、太陽光発電などへの投資の加速による恩恵を受け、産業用ロボットが品薄になり、製品の値上げに踏み切る企業が相次いでいる。

 上海にある化学メーカーの生産工場では、移動式ロボットが設備の安全点検を行っている。紹介によると、このような巡回検査ロボットは、高温・高圧、可燃性、爆発性、有毒および有害な環境下での作業を長時間代替でき、且つ事故を効果的に防止することができるため化学工業、石油、ガス、電力などの分野で広く使われている。

北京の某ロボットメーカーの総経理である王慶文氏は、「機器が過熱していないか、メーターの数値に異常がないかなど、ロボットは、お客様の安全な生産をお手伝いすることができる」と述べた。

また、上海の産業用ロボットメーカーで、記者は多数のロボットが72時間の試験的運用を行っているのを見た。これらのロボットは、工業生産において、溶接や運搬などの作業を完全に代替することができ、最近、サプライチェーン下流での需要が急増し、受注が爆発的に伸びている。

産業用ロボットの市場規模の急拡大は、サプライチェーンの上流である部品メーカーの売上も牽引しており、ロボットの基幹部品の一つである減速機は、この2年間で売上を伸ばしている。

江蘇省蘇州市にある減速機製造メーカーでは、2021年末に全社で年間出荷台数が25万台を超え、2020年に比べて2倍以上となり、半期の営業利益は30%以上増加した。

中国の産業用ロボット市場での販売台数は近年急成長を維持しており、2021年には前年比49.5%増の25.6万台、2022年上半期の累計販売台数は13.1万台で、継続して前年同期を上回っている。

現在、産業用ロボットの受注は大幅に増加しているが、海外部品の不足により多くの工場がリードタイムの延長を余儀なくされており、産業用ロボット市場は供給過剰の状態にある。

(中国経済新聞)