半年でわずか200台しか生産していない恒大汽車、買収される可能性も

2022/08/18 14:45

中国の大手不動産開発会社、恒大集団の子会社である恒大汽車が他の自動車会社に買収される可能性が出てきた。この問題に詳しい関係者によると、積み重なった巨額の負債によって、長らく恒大集団は危機に瀕しているが、恒大汽車は恒大集団にとって最後の希望であり手放したくないのが本音だ。また、この件に詳しい別の関係者によると、買収は政府による措置であり、両者の交渉は依然として膠着状態にある。

恒大集団の公式サイトによると、恒大集団は現在、280以上の都市で1300以上のプロジェクトを展開し、1200万人以上のオーナーを抱えている。車の購入比率が100:1なら販売台数は12万台、1台あたりの販売価格を17.9万元(約355万円)とすると、収益は200億元(約3975億円)を超えるが、これは恒大汽車の希望的観測に過ぎない。

先週、恒大集団が販売する資産運用商品(理財商品)や不動産の購入者、恒大汽車が製造・発売する恒馳(ヘンチー)のサプライヤー(部品供給業者)が、自分たちの権利を守るために恒馳を製造する天津工場に押し掛け、生産が停止されたばかりであった。関係者によると、天津工場は材料の入手が困難なため、8月18日に操業を停止することになり、恒馳5の生産開始から半年以上が経過したが、天津工場で生産された恒馳はまだ200台程度に過ぎない。また、別の関係者によると、「今、すべてのサプライヤーが、恒大集団と一緒に仕事をする気がない」といい、恒大集団は、どのサプライヤーと交渉する際も、事前に全額を支払っている状態だ。

自動車製造の発表以来、恒大汽車は500億元(約1兆円)近くを投資してきた。また、恒大集団の財務諸表に記載されている負債総額1.97兆元(約39兆円)に加え、サプライヤー向けに発行したコマーシャルペーパーなど4000億元(約8兆円)以上の借入金により、負債総額は2.5兆元(約49兆円)となっている。

(中国経済新聞)