海南省、感染対策の不徹底など規律違反で処分3件

2022/08/15 12:30

コロナに見舞われている中国の海南省は、三亜市で最初の感染者が確認された8月1日以降、現在に至るまで全域で収束のめどが立っていない。こうした中、省の監察部門が地域の当局を相手に、コロナ対策の不備といった規律や法律の違反行為への処分を進めている。

共産党委員である三亜市吉陽区衛生健康委員会の林恵副主任は、カウンセリングや危機防止策として24時間対応のコールセンターを設けたが、2022年8月9日に監察部門による抜き打ち調査の結果、オペレーターの邢増さんが90分間に渡り電話をわざと話し中の状態にしていたことがわかった。林氏はリーダーとしてこのオペレーターに対する監督不行き届きを指摘され、職務の解任を問われる事態となった。吉陽区政府は8月14日、邢さんの労働契約を解除し、三亜市は林氏に対して立件の上調査を行うと発表した。

林氏は、急遽行われたこの調査の当日(8月14日)、地元放送局の番組「『コロナ』との戦い(上)」に出演しており、「コロナの急拡大を受け、PCR検査や隔離措置、医療支援などの手配を受け持った」などと説明していた。「共産党員の幹部としてこの立場にいる以上、負うべき責任を負わなければならない。大事なこの時期に現場に突入し、できるだけ短い期間でコロナ対策における成果を挙げるよう努めていく」とも話していた。

  取材を受ける林氏

林氏は2021年10月にもメディアの取材に対して、「衛生業務に携わる人材を一段と整備して、庶民の命や健康を守るよう努めていく」と述べていた。さらに今年3月には吉陽区の「優秀女性賞」にも選ばれていた。

さらにまた、儋州市の自治会の幹部2人が、団地で入場検査の仕事にあたっていた最中に賭け事をしていたうえ、市民と小競り合いを起こしたとして、8月13日に地元公安局より5日間の拘留処分が下された。8月14日には市の規律監査当局より、立件の上調査を行うと発表されている。

また、海口市瓊山区のある団地で8月7日、感染対策の担当員である周明さんが予定の時刻になっても出勤せず、何度も催促した上、昼12時ごろにようやく姿を現した。ところが30分後に無断で持ち場を離れるなど、怠慢な行為をしたという。職務を十分に果たしていないとの責任を問われた周さんは解雇され、リーダー格の幹部に対して注意処分が下されている。

(中国経済新聞)