アディダス、大中華圏での売上が大幅ダウン

2022/08/11 17:30

ドイツのスポーツブランド・アディダスの最高経営責任者であるローステッド氏は、経済紙「ハンデルスブラット」に対し、第一四半期は大中華圏の売上高が35%減ったと述べた。新型コロナウイルスの影響も大きかったが会社自身も「ミスをした」、とのことである。

ローステッド氏は、「消費者をよくわかっていなかったので、しっかり取り組んでいた現地の各社に隙を与えてしまった。今、中国での人気(商品)は『中国的な感覚』があるものだ」と語り、中国でミスをしたことを認めた。

売上が大幅に減った理由はコロナや市民の「不買運動」であると見ているローステッド氏は、中国が西側諸国の品を捨てたとは思わず、「それなら外国ブランドがみな厄介な目にあうことになり、それは非現実的だと思う。中国での売上は回復するだろうし、まだまだ十分伸びていくはずだ」と述べている。

アディダスにとって大中華圏は売上の「大黒柱」であり、2019年度までは四半期ごとに見て23季連続で二けた成長を遂げてきた。しかし2020年度以降は、ウイグル産の綿花の問題やコロナの影響により伸び悩んでいる。

2021年度、アディダス全体の売上高は前年比15%プラスの212.34億ユーロ(約2.9兆円)であったが、中国ではわずか3%増の46億ユーロ(約6291億円)で、欧米の24%増や北米の16.6%増に遠く及ばなかった。中国での売上額は、2022年第一四半期まで4期連続で低下している。

中国やロシアで売れ行きが落ち、世界的なサプライチェーンの問題なども受けているアディダスは、2022年度の業績予測値を下方修正している。

(中国経済新聞)