家電大手が半導体チップを自社で生産 国産化率10%以上に

2022/08/11 12:30

世界最大の家電生産国である中国は、家電用の半導体チップの国産化が急速に進んでおり、グリー、美的、ハイセンス、ギャランツなどの家電大手もチップの製造を始めている。

産業在線の半導体アナリストである欧陽懐氏は8月10日、主な家電用チップのMCU(マイクロコントローラ)、IPM(インテリジェントパワーモジュール)の国産化率が10%を超えたと述べた。

MCUは2021年、主なチップメーカーが数年にわたり下準備や検証をした効果が出て、出荷量が急増した。ただし欧陽氏は、「今年は技術的な障壁や価格問題、需要の落ち込みにより、国産化の進み具合がやや収まる」とも述べている。

中国では、主力の白物家電(エアコン、冷蔵庫、洗濯機)におけるMCUの需要量が、2017年の5.7億個から2022年には7億個以上となり、このうちエアコン用が60%以上を占めている。コントローラー用、インバータ用、ディスプレイ用、操作パネル用のMCUが高機能タイプとして1個にまとまるようになり、需要はさほど伸びてはいないが単価は上昇中という。

また、美的やグリーなどが自社でのチップ生産量を伸ばしている。美的の社長兼総裁である方洪波氏は、今年5月に行われた2021年度の株主総会で、「子会社の美仁半導体は今年の出荷数量が7000万個、来年は3億個となる見込みであり、国内での受託加工などにより2、3年以内に供給不足を解消したい」と述べている。またグリーもチップの開発に力を入れており、2021年の決算によると、100%子会社の零辺界集成電路が売上高を50%以上伸ばし、7000 万個以上を出荷している。

(中国経済新聞)