中国、各都市で実店舗の閉店続く

2022/08/5 15:30

消費が伸び悩む中国で、実店舗を閉鎖する動きが強まっている。

「ケーキ界のエルメス」とも言われるLady Mは半月ほど前、中国の各店舗を閉店すると発表した。老舗のパン専門店・クリスティーヌも「閉店ラッシュ」に陥り、ようやく8月1日から上海の一部店舗での営業再開にこぎつけた。この前の6月には、上海の有名商店街である淮海中路651号にあるH&Mの店舗がシャッターを下ろしている。

不動産情報サービスの克爾瑞によると、2022年の第一四半期、主要都市の開店・閉店比率(開店数/閉店数)はいずれも1未満であった。賃貸需要が活発な深センは0.95で開店数と閉店数がほぼ同じであったが、上海は0.88、北京は0.85、広州は0.76で、閉店の方が多い状態である。

店の経営者は高価な賃借料に苦しんでいる。上海のあるショッピングセンターで小さな飲食店を営んでいる方さんもその一人で、ただでさえ収支トントンであった中でコロナにより2か月間店を閉じ、売上がゼロになって家賃も人件費も賄えず、ロックダウンが解除された6月初めにあえなく店を閉じた。6月末時点における上海の平均賃貸料は、第一四半期よりやや下がったとはいえ34.4元/平方メートル/日(683.0円/平方メートル/日)もする。つまり、店舗面積が20平方メートルの場合は2万元(39.7万円)以上の家賃を払わなくてはならない。

こうした問題について克爾瑞は、個人所得がなかなか伸びないので消費意欲も後退し、これにコロナの影響も拡大しつつあるので、時間が経つにつれて商業分野全体が下押し圧力に見舞われるものと予想している。

(中国経済新聞)