中国、シリコンの価格が1年で4倍に 太陽光発電に影

2022/07/11 17:26

中国でこのところ、「順風光電、無錫尚徳、大恒能源、騰暉光伏、晶澳科技、協シン集団などの太陽光パネルの製造各社が軒並み生産を停止している」との情報が広まっている。

その理由であるが、主な原料であるシリコンの価格が値上がりし、各社とも作れば作るほど損するという悪循環に陥っているためである。

主なシリコンメーカーである大全能源、通威、新特能源が先ごろ、今年上半期の業績について、いずれも利益額が前年より4倍以上となると発表した。

中国非鉄金属工業協会シリコン部会によると、シリコンの価格は今年1月初めにはトン当たり約23万元であったが、7月9日にはほぼ30万元(約612万円)を超え、2021年初めの8万元(約163万円)から4倍近い値上がりとなっている。

生産側は大儲けであるが、それを利用する各社が苦境に陥り、「設備の点検」と称して生産を停止する動きが相次いでいる。中国政府は最近、経済刺激策として「太陽光パネル各社を全力で支援」する政策を打ち出したが、原材料価格の高騰で太陽光発電事業の整備にも影響が出ている。

(中国経済新聞)