SOHO中国の最高財務責任者が警察に連行

2022/07/8 10:30

SOHO中国の最高財務責任者(CFO)である倪葵陽氏が、インサイダー取引により警察に連行され、経営陣も取り調べを受けている」との情報がネットで流れている。

SOHOは、潘石屹氏と張欣氏の夫妻が設立した大手不動産開発会社で、北京や上海などに「SOHO」の名のオフィスビルを有している。現在の夫妻の持ち株率は73%となっている。

今回報じられた倪氏は今年44歳で、1999年に中国石油大学会計学科を卒業し、2008年7月に入社、2011年から2013年にかけて財務部門マネージャーを務め、2014年に副総裁に就任し、2018年10月にCFOとなった。会計や財務について20年以上の経験を有している。

焦点財経によると、倪氏は、アメリカのブラックストーンによるSOHOの買収案件で、未公開情報を利用して株の現金化を果たしたとのことである。

SOHOはこのところ所有物件の売却を重ねている。現在の主な資産は、北京と上海にあるオフィスと商業施設の複合ビル8か所で、賃貸面積は合計およそ78.5万平方メートルである。2021年6月16日にブラックストーンが、SOHOの支配権を手に入れるため、同社株の91%を購入する計画を正式に発表した。購入価格は1株5香港ドルで総額236.58億香港ドル、人民元でおよそ196.2億元となっていた。

中国ではこの情報を受け、潘氏を「吸血鬼」「売国奴」とののしり、「中国の資本を海外に持ち逃げするのか」などといった声がネットに飛び交った。ほどなくして、市場監督管理局が独占禁止法に基づき買収案件を審議すると発表し、ブラックストーンはやむなく買収計画を中止した。

CFOが取り調べを受けることになれば、SOHOは先が読めなくなる。

(中国経済新聞)