中国、家計の貯蓄拡大、杭州では一人当たりの平均貯蓄が314万円に到達

2023/05/21 13:15

中国では、家計の貯蓄が増加傾向を見せている。上海経済紙「第一財経」が中国各地の統計や公開データをもとに調べたところ、中国における家計の貯蓄が最も多い上位8都市は、北京市、上海市、広州市、重慶市、深圳市、成都市と天津市、杭州市で、そのうち北京市と上海市は5兆元(約98兆円)を超えていることがわかった。また、第7位にランクインした杭州市は、1人あたりの平均貯蓄で第3位となった。

データによると、2022年の北京における家計の貯蓄は、年末の時点で5兆8621億元(約115兆3637億円)に達し、年初から9877億元(約19兆4375億円)増加。上海における家計の貯蓄は5兆2637億元(約103兆5874億円)で、年初から9984億元(約19兆6481億円)増加している。

国家統計局によると、中国で最も収入の高い業界は、ソフトウェア、情報処理サービスなどのIT業界で、平均年収は22万400元(約440万円)、次いで金融業界が17万4300元(約343万円)、専門・技術サービス業界が16万3500元(約321万円)となっており、こうした業界のほとんどが北京や上海に集中している。

また、1人あたりの平均貯蓄は、北京が26万8000元(約527万円)で第1位、次いで上海が21万3000元(約419万円)で第2位だった。杭州は、1人あたりの平均貯蓄が16万元(約314万円)に達し、広州や深圳を抜いて第3位となった。

杭州計画委員会の湯海糯(タン・ハイル)副主任は「杭州における1人あたりの平均貯蓄が増えた背景に、杭州は浙江省の省都で、省内の重要企業が本社を杭州に移転したことや、杭州における電子商取引やデジタル経済の発展により、高所得の人材が杭州に集まってきたことが考えられる」と述べた。

杭州市統計局のデータによると、杭州はデジタル経済と実体経済の融合を加速させており、デジタル経済の中核産業付加価値は5076億元(約9兆9893億円)を達成、中国全体の56.5%を占めるまでになっている。

(中国経済新聞)