中国製家電、アラブ諸国への輸出が前年比11%増

2023/03/23 07:40

中国機械輸出入商会の家電支部は3月17日、2022年の家電(白物家電)の輸出について、長引くウクライナ問題や欧米のインフレの影響を受けたこと、2021年の数値が高かったことなどにより、前年比5%減の1123.1億ドルであったと発表した。2022年は多くの国で需要が伸びず、第13次5か年計画」期間中にかなりの伸びを見せた欧米市場が「第14次5か年計画」中に減速した一方、「一帯一路」の沿線である東南アジア諸国連合(ASEAN)やアラブ諸国連合(LAS、加盟22か国でほとんどが中東と北アフリカ)が成長を維持するなど、輸出構成に変化が生じている。

データを見ると、2022年、地域別で中国家電の輸出が最も多かったのはやはりアジアであったが、前年比では減速して3.5%増にとどまった。次点のヨーロッパ(EUも含む)もエネルギー危機の影響で需要が伸びず、前年比14%減だった。また製品在庫が2年近く高止まりしている北米は前年比7.7%減であった。ASEANやオセアニアはRCEPによるメリットで二桁増を記録し、他の新興国を見るとエネルギー危機により景気が回復した中東が同じく二桁成長を維持している。

LASへの輸出も増え続けており、2021年は前年比6.9%増、2022年は同11%増の78.3億ドル(約1.04兆円)であった。製品別に見るとエアコンが25.89%増、電気温水器が19.39%増、ガス給湯器が64.72%増となっている。石油業や観光業への依存度が高いサウジアラビアやUAEなどは去年、エネルギー危機やコロナ規制の緩和で経済が大きく好転し、消費者の可処分所得が増え、中国からの家電の輸入増につながっている。

(中国経済新聞)