中国外務省、米・英・豪による原子力潜水艦の提携計画に「断固反対」

2023/03/16 16:08

3月14日、中国外務省の定例記者会見で、「昨日、米・英・豪の3か国首脳が、アジア太平洋地域における中国の影響力への懸念感を理由にオーストラリアがアメリカから原子力潜水艦を購入すると発表したが、これについてどうコメントするか」との質問が出た。

これに対して汪文斌報道官は、「米・英・豪が打ち立てた『AUKUS』による原子力潜水艦や先端的軍事技術の協力推進は典型的な冷戦思考であり、軍拡競争を刺激し、国際的な核非拡散体系を破壊し、地域の平和と安定を損ねるだけだと繰り返し強調してきた。平和を好む国はこれに強く懸念し、断固として反対する」と述べた。

汪報道官は、「米・英・豪が発表した最新の共同声明は、3か国の地政学的なわがままであり、国際社会の懸念を完全に無視し、誤った危険な道を突き進むものである。3か国による原子力潜水艦の利用で、核の保有国が非保有国に対し兵器利用の濃縮ウランを大量に譲渡することになり、深刻な核拡散のリスクが生じて、『核拡散防止条約』の目的や趣旨に違反するものだ。最高の核非拡散基準を守るとの言葉は完全な欺瞞であって、実際には国際原子エネルギー機関に対して査察の免除を迫り、権威を著しく損なわせるものだ。中国は断固反対する」と指摘した。

また汪報道官は、「アジア太平洋は世界で最も活力があり成長の速い地域で、こうした状態は大変貴重なものだ、と強調しておく」と述べ、3か国に対して国際社会や地域の声に耳を傾け、古い冷戦的なゼロサム志向や狭苦しい地政学的な考えを捨て、国際義務を着実に履行し、地域や世界の平和や安定を壊すようなことはしないようにと求めた。

(中国経済新聞)