習近平主席、「中国経済は『質の高い時代』へ進むべき」

2023/03/6 18:00

全国人民代表大会(全人代)が開幕した3月5日の午後、江蘇省代表団との討論会に参加した習近平主席は、「中国経済は高速で成長する段階から質の高い成長をする段階に変わった。よって、質の高い発展という第一の任務をしっかりと把握しなくてはならない」と指摘した。

習主席は、「経済発展とは直線的でなくらせん状に伸びるものであり、ある程度の段階に達したら質の向上に切り替えるべきで、中国もこの法則を守る必要がある」と述べた。「ある・なし」から「良し悪し」への転換、量的満足の重視から質の向上への転換、これは時代のニーズで国民のニーズでもあるという。

   習近平主席

すでに製造大国となった中国だが、多くの分野で中心的な技術や機器類が少ないことから、製造業がかねてから「中級クラス」を突破できず、「量」という生産額は多いが国際競争力という「質」を欠いている。

アメリカからの締め付けが貿易から技術や機器類に及び、2023年に入ってからは日本やオランダなどの同盟国も加わって、半導体について技術面から部品、製造設備に至るまで完全包囲されてしまった中国は、先進的チップや製造分野で苦しい状態に置かれている。

アメリカのこうした締め付けは技術面での追い抜かれを阻止することが目的で、長期に及びそうである。中国は新しい技術を勝ち取るために「自力更生」の道を歩まざるを得ず、自らの努力を通じてアメリカや同盟国の囲い込みを破りにいくのである。

習近平主席は、3月5日の午後、江蘇省代表団の討論会に参加した。

毎年の全人代で、いずれかの代表団の場で習主席が話す内容は、中国の政治や経済の方向性と見られている。習近平は3月5日、経済規模があり外国企業や国内製造業が数多く立地する江蘇省の代表団をまず訪ねた。この場で述べた「高速発展」から「質の高い発展」への中国経済の転換、これは急成長期がすでに終わったことを認める一方で、製造業では特に重要となる「質の高さ」という新たな目標の設定でもある。

(中国経済新聞編集長 徐 静波 北京より)